10段階のレベル別個別指導で完成された学習システム
スイング指導法について
運動を習得するということは、動きの感覚である運動感覚を習得することに他ならないのです。なぜなら、運動とはすべて「目標としている動きを達成するためにはこんな感じで体を動かせばいいのでは?」という感覚をたよりに体を動かした結果なのです。この運動の感覚は、運動映像を解析するような外から見た動きの分析には表れない「運動する人の中に発生する感覚」、すなわち、コツのようなものです。そして、運動の習得や修正とは、すべてこの感覚の習得や修正に他ならないのです。。 皆さんも経験があると思いますが、「自分ではそう動いているつもりなのに撮影した映像を見てみると思ったような動きになっていない」ということが運動の学習にはつきものです。映像に写し出された自分の動きを見ていると、ここをこうすべきであるということはよく分かるのですが、その動きを実現するにはどうすればいいのか? ということは難しく、自分で工夫しても意図した動きとはまったく違うものになってしまいます。そんな中、ふとしたことから「映像上の動きの修正」とは無関係と思えるような動きをした時に、映像に現れた動きが意図したものになっていた、ということがあります。このようなものが、映像の解析とは異なる通称コツといわれる運動感覚を通した動きの修正です ゴルフスイングの学習では、スイング中に発生する運動の感覚は「スイング感覚」となり、この感覚を通したクラブの振り方の習得・修正が必要不可欠になるのです。コンバインドプレーン理論では、コンバインドプレーンイメージに基づいたスイング感覚を習得するために300種類にも及ぶドリルを有しています。その中でも、5つのスイングドリルで習得する5つのスイング感覚、「インパクトエリアの手首の固定感覚」、「ターン動作の感覚」、「コック動作の感覚」、「リフトアップ動作の感覚」、「フィニッシュ姿勢を作る感覚」とトントンスイングで習得する「縦のスイングプレーンと横のスイングプレーンを合成する感覚」は、ゴルフスイングの基礎を作るための重要なスイング感覚となります。 さあ、皆さんもコンバインドプレーン理論に基づくスイング学習でゴルフスイングに必要なスイング感覚を習得しましょう。
段階的なスイング指導について
ゴルフには様々な楽しみ方があります。例えば、青空の下で行うのびのびとしたプレー、運動の後の食事やお風呂、スコアの向上と競技への参加などです。また、楽しみとは別にコミュニケーション能力向上やルール遵守の精神、マナー尊重の姿勢など教育の一環にも用いられます。このように、ゴルフをすることの目的は各自で異なります。しかし、現在のゴルフ指導では「初心者のための」は名ばかりで万人が上級者、特にプロゴルファーの練習をまねることが最良とされています。確かに基本的なスイング理論は一つでしょう。しかし、スイング構築の段階では個人個人のレベルに応じて許容範囲が異なっていいはずです。かけ離れた目標に向かって黙々を練習できる人、時間を費やせる人はそれほど多くありません。そこで、コンバインドプレーン理論では、スイングプレーンの精度を高めていくという視点に立ち、ちょっと先の目標を達成しながら徐々に上手くなっていける豊富な積み上げ式の練習メニューを用意しました。この段階的指導法は、過去の2000人以上のスイング指導カルテの統計をもとに確立されたもので、どのプレーヤーのレベルにも合わせられるような10段階に分かれた300種類以上の練習メニューを保有しています。コンバインドプレーン理論に基づくゴルフスイングの構築では、この方法を駆使することによってすべてのレベルのプレーヤーにゴルフの練習そのものを楽しんでいただきたいと考えています。
コンバインドプレーン理論に基づく10段階のスイング指導法
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レベル1
コンバインドプレーン形成のための基礎とパターの基礎
スターティンググリップ、スターティングアドレス、5つの基本スイング、基本的な回転と腕の動き、基本的なパターの打ち方の習得。
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レベル2
形を通したフォーム作り
①バックスイングの回転 | ②バックスイングの腕の動き | ③ダウンスイングの回転 | ④ダウンスイングの腕の動き | ⑤フォロースルーの回転 | ⑥フォロースルーの腕の動き、という6局面の形を重視したスイングフォームの習得。
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レベル3
力の使い方を通したフォーム作り
①バックスイングの回転 | ②バックスイングの腕の動き | ③ダウンスイングの回転 | ④ダウンスイングの腕の動き | ⑤フォロースルーの回転 | ⑥フォロースルーの腕の動き、という6局面の力の使い方を重視したスイングフォームの習得。
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レベル4
スイングに必要な基本的運動感覚
スイング基本6感(①回転感覚 | ②振り抜き方向感覚 | ③振り下ろし方向感覚 | ④振り上げ方向感覚 | ⑤ボールセット感覚 | ⑥斜面定位感覚)の習得。
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レベル5
スイングのスピードアップ & 基本的アプローチ & ロングパットの打ち方
ゴルフスイングを使ったパワートレーニング及び基本的アプローチとロングパットの打ち方の習得。
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レベル6
スイングのメカニズムを通した各部の動き
①理想的バックスイング回転 | ②腕の過緊張の削除 | ③スイング中の理想的な右腕の使い方 | ④スイング中の理想的な左腕の使い方 | ⑤バックスイング反動による重心移動 | ⑥理想的フォロースルー回転 | ⑦理想的スイングリズム、という7つの項目の習得。
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レベル7
スイングパワーアップ2 & コース状況に対応するアプローチ&ショートパットの打ち方
ゴルフスイングを使ったより高度なパワートレーニング及びコース状況に対応するアプローチとショートパットの打ち方の習得。
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レベル8
上級者に必要なスイング感覚
スイング7感(①水平回転感覚 | ②移動回転感覚 | ③振り上げ位置感覚 | ④オンプレーンダウンスイング感覚 | ⑤回転深度感覚 | ⑥肘感覚 | ⑦スイング速度感覚)を通して個人々のスイング特性を確認。
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レベル9
寄せるアプローチ & ミドルパッド
ピッチエンドラン、ピッチショット、ランニングアプローチ、様々なバンカーショット、ミドルパットの打ち方の習得。
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レベル10
ショット能力の向上
個人のスイング特性を通した①スイング管理法の習得 | ②持ち球作り | ③ストレートボール作り | ④ビットウィーンクラブの打ち方の習得 | ⑤ショットの方向性の向上 | ⑥スイング安定性向上 | ⑦スイング耐久性向上
これらの練習段階は誰もがレベル1からやることはなく、経験者は今どのようなスイングを行っていて何が不足なのかを見分けてそれを補う方式やプレーヤー自身が望む項目を重点的に練習することも可能です。
コンバインドプレーン理論に基づくスイング構築法
「コンバインドプレーン」理論に基づくスイング構築法の長所はアップライトなスイング軌道がイメージしやすいことにありますが、もう一つの長所として基本スイングを段階的に構築できるということがあげられます。一面のスイングプレーンの学習にはスイングプレーンを段階的に構築していくことでゴルフスイングを完成させるというすばらしいスイング練習法が存在しました。この練習法は構築すべきスイングプレーンが明確だから考案できたのです。 これに対し、アップライトなスイングを習得する段階的な練習法は考案されていません。一部の優れた指導者たちによってリストターンを行わないボディターンによるクラブフェースの返しを習得させるドリルは開発されました。しかし、このボディターンドリルのクラブシャフトの動きとスイング軌道全体のクラブシャフトの動きが結びつかなかったためアップライトスイングの段階的な練習法は構築できなかったのです。 しかし、「コンバインドプレーン」理論に基づいたスイング構築法では、アップライトスイングのスイングプレーンはインパクトエリアのスイングプレーンと2つの縦プレーンの合成により作られるとしているため、ボディターンによって作られるスイングプレーンに縦のスイングプレーンを段階的に加えるという手法でゴルフスイングを完成させるという練習法が開発できたのです。 以下にアップライトスイングを段階的に完成させるための5つのスイングドリルを紹介します。なお、それぞれのスイングはそのままアプローチスイングとして使えるため学習効率がよいことは間違いありません。
5つのスイングドリル
8-4スイング
手首を固定して背中でクラブを動かす練習
手首を固定して背中でクラブを動かす練習です。インパクトプレーン上ではこの手首の固定が必要不可欠です。アプローチとして使うなら10ヤードのキャリーが目安です。クラブシャフトが時計の8時の位置から4時の位置まで動くことから命名されました。
9-3スイング
「体の回転」を作る練習
従来ボディターンドリルと呼ばれていたスイングで、スイング中の「体の回転」を作る練習です。この練習でインパクトプレーンは完成します。アプローチとして使うなら女性で20ヤード、男性で30ヤードのキャリーが目安です。クラブシャフトが時計の9時の位置から3時の位置まで動くことから命名されました。
L字スイング
バックスイングとフォロースルーで使う「コック動作」の練習
バックスイングとフォロースルーで使う「コック動作」の練習です。このコック動作によってスイング中に縦プレーンの形成される位置が決まります。アプローチとして使うなら女性で30ヤード、男性で50ヤードのキャリーが目安です。クラブシャフトと腕がアルファベットのLの字のような形をつくることから命名されました。
「コンバインドプレーン」理論では、このスイングのクラブシャフトを地面と垂直としたためにボディターンドリル(9-3スイング)のクラブシャフトの動きとフルスイングのクラブシャフトの動きが結びつけられたのです。現在では多くのスイング理論がクラブシャフトを垂直に立てることを提唱しはじめました。
コの字スイング
バックスイングとフォロースルーで使う「コック動作」の練習
バックスイングとフォロースルーで使うリフトアップ動作の練習です。このリフトアップ動作によってスイング中の縦プレーンが完成します。フルスイングでは距離が出すぎるのではと思われる時に使うスイングなのでコースで使う機会は少ないでしょう。
フルスイング
スイングの最終型
「手の動き」の最終形と「体の回転」の最終形が組み合わせられることでフルスイングが作られます。
上に示した練習法はシュウ・ゴルフ・クリニックの「コンバインドプレーン」理論に基づくゴルフスイング構築法の一部です。このスイング構築法では、この5つのスイングをレベル1で学習した後で「縦プレーン」と「インパクトプレーン」の精度と速度を高め、その位置の関係を調節することでさまざまなアプローチショット、ドローボール、フェードボール、高い弾道、低い弾道、クラブ間の距離の打ち分けなどを可能にする技術を習得するまでの10段階600種類以上の練習メニューが用意されています。
ゴルフスイングの練習目標について
ゴルフスイングのレッスンにおける最大の問題点は、「どのようなクラブの振り方を目標にして練習するのか」が明確にされていないことにあります。ある指導者は、「飛距離が出せるスイングを目標に指導します」と言います。またあるコーチは「プレーヤー各自にあったスイングを指導します」と言い、別のインストラクターは「スイートスポットでボールが捉えられるスイングを指導します」と答えます。しかし、「では、そのスイングの具体的な振り方は?」 という問いに対しての答えは結局「まずボールを打ってみて、その結果に対する対処療法で」、となってしまいます。
確かに運動の学習は、やってみなければ分からないという部分もあります。しかし、あまりにも目標像の曖昧な練習は、水泳に例えれば、どの泳ぎ方をするのかを決めずに水の中で手足を動かし、それから泳ぎ方を決めるという練習と同じことになってしまいます。実際の水泳の練習では泳ぐときの「腕の動かし方」と「脚の使い方」から各泳法が定義されているため、スイマーは各泳法の中で個性が織り込まれた最速が実現できる自分自身の泳ぎ方をコーチから指導されるのです。
ではなぜゴルフスイングの学習では目標像が曖昧なのでしょう? スイング学習の目標像となるクラブの振り方は、ゴルフの長い歴史の中でボールやクラブの開発に伴って変化し、現在の振り方にたどり着きました。このスイングの変遷は、近年のプレーヤーのスイングの比較では発見することはできません。理由は、同じ時代の道具を使う選手の比較分析からは単なるプレーヤーの個性しか発見できないからです。つまり、この分析から導き出されたクラブの振り方の目標は、そのプレーヤーにしかできない振り方になってしまう可能性が高いということになります。
これに対し、コンバインドプレーン理論は、ゴルフの歴史に伴う道具の変化、ゴルフコースやゴルフウェアの変化などの分析から、現在のゴルフ環境に最も適したクラブの振り方を、「インパクトエリアでリスターンを抑え、フィニッシュ姿勢が直立型になるターン動作を行うスイング」と位置づけ、この振り方をスイング練習の目標像にかかげています。そのため、プレーヤー各自はこの目標像に向かって用意された指導法に基づいた練習から、このタイプに属するスイングの中で自分に適した最高のスイングを作ればよいということになります。
さあ、みなさんもコンバインドプレーン理論を導入したゴルフスクールで、現在のゴルフ環境に適したゴルフスイングをベースに自分自身の最高のスイングを作りましょう。