ダウンスイング時のクラブシャフトの傾き(シャローイング)2
コンバインドプレーンゴルフスクール世田谷用賀本校 火、金、土、日曜日担当の安藤秀です。
前回ダウンスイングの一瞬の映像を紹介しましたが、今回はこの写真でダウンスイング時にゴルファーがゴルフクラブに対してどのような力を加えているかを説明します。
まずは、トップオブスイングから腕の動きがクラブを引き下ろします(黄矢印)。この力は当然クラブを握っているグリップの部分からゴルフクラブに伝わります。
一方この動きとは別に、体は回転しながら腕によって振り下ろさせるクラブをボールのある位置まで運びます(赤矢印)。この動きもグリップを通してクラブに伝わります。
以上のように、腕と体の動きによる力は共にグリップを通してゴルフクラブに伝わりますが、ゴルフクラブの大部分のウェートはクラブヘッドにあります。そのため、腕と体の力がグリップの位置からクラブに伝わると、クラブシャフトは自然に背中側に倒れます。
このような考えに基づくと、体の回転が速いゴルファーのクラブシャフトの倒れは当然大きくなり、また、シャフトの長いクラブを使った時のシャフトの倒れは大きくなります。そうなると、プロゴルファーのスイング連続写真に写し出されたダウンスイング時のクラブシャフトシャフトの傾きをそのまま再現しようとするのはかなり無理があり、できたとしても大抵の場合、自ら左肘の絞りをほどくようにクラブシャフトを倒す場合がほとんどです。
このようなダウンスイングでは、右に飛び出すプッシュボールかダフリショットの確率が高くなり、無理に左にボールを飛ばそうとすると一気に極端なフックボールになってしまいます。
ここから言えることは、ダウンスイング時のクラブシャフトの傾きは、あくまでも体の回転の速さと使うクラブによって決まるゴルファー各自のオリジナルな傾きとであるというです。そして、このゴルファー各自のシャフトの傾きを教えるには、スイング動画に線を引く方法ではなく「運動者が動きの中でその動きを感じることができるドリル」が必要になるのです。
瞬間姿勢を写し出した映像を模倣するスイング学習にはくれぐれも注意しましょう。
つづく
ゴルフスイングという運動の学習と指導26