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安藤秀インストラクター投稿記事 [用賀]

意図的NG動作練習の具体例Ⅰ

こんにちは! コンバインドプレーン理論開発者の安藤秀です

 

運動者は精一杯頑張っているのに見ている人に「力感のない運動」という印象を与えてしまう運動の原因が「運動調和が上手くできていないこと」にある、ということをお話ししています。

 

そして「上手く行われた運動調和によって現れる運動の特徴」というものは力学的や解剖学的な分析では説明がつかないうえに指導法もなかなか見いだせないものです。しかし、運動経験豊かな運動観察訓練した研究者の中には潜勢運動能力を駆使して素晴らしい指導を行うコーチもいます。潜勢運動能力とは聞きなれない言葉ですがスポーツ運動学の世界では指導者全体に必要とされている能力です。簡単に説明すると他人が行っている運動に感覚的に潜入し、その運動者の運動感覚に共感を得ることができる能力です。

 

前回はNGをわざと行う練習について説明しました。この練習はあくまでも指導者が学習者に対して行うNG矯正方法であり、学習者が自らNGを発見しNG練習を行うというのは極めてまれです。

 

よって、NG練習を効果的なものにできるかどうかは指導者の手腕にゆだねられます。なぜなら効率のよいNG練習を行うには「NGを引き越している部分についての正しい動きの感覚」というものをNG練習を行う前に学習者に練習させておくことが重要になるからです。

 

これを前回例にあげた「オーバースイングの矯正」で説明しましょう。オーバースイングというNG動作を引き起こすパターンには2通りあり、一つは「体幹部によるクラブの振り上げ」でありもう一つは「左腕によるクラブの振り上げ」です。

 

前者の矯正では体幹のバックスイングの動きを明確にしてその動きに腕の動きを加えてバックスイング動作を作るという練習が効果的です。コンバインドプレーンレッスンでは9-3スイングでバックスイングの体幹部の回転を作りその動きにコック動作とリフトアップ動作を加えてトップオブスイングを作るという練習ですね。

 

後者の場合は、クラブの振り上げを右腕で行うことを習得させるためにL字スイングから右肘のリフトアップ動作を加えてトップオブスイングを作り、その後すぐに左腕によるクラブの振り下ろしをスタートさせるという練習をします。

 

矯正練習としては、前者に関しては「体幹でクラブを振り上げてしまう」というNG動作を行わせた後にクラブの振り上げは手首と腕で行うという正しいバックスイング動作を行わせその2つのスイングを交互行わせればその違いが分かるためNG動作をしないという動きがつかめます。

 

一方後者に関しては、まずL字スイングのトップオブスイングから左腕でクラブをオーバースイングの位置に振り上げさせた後、右腕でクラブを振り下ろすというNGスイングを行わせます。続いて右腕でクラブを振り上げた後、左腕でクラブを振り下ろすという正しいスイングを行わせます。そして2つのスイングを交互に行わせてNG動作と正しい動作の違いを感じさせる練習をします。

 

以上のようにNGになる原因をあらかじめ指導者が学習者に伝えた後でNG練習を行う方がNG練習は効果が上がるのです。

 

つづく

最後まで読んでいただきありがとうござます! コンバインドプレーンゴルフスクール・コンバインドプレーン理論インターネットゴルフスクール・コンバインドプレーン理論インストラクター養成スクールを主宰する安藤秀でした。

 

ゴルフスイングという運動の学習と指導97

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