ゴルフスイングという運動の学習と指導9:目標とするゴルフスイング
前回までの、ゴルフスイングの歴史的考察から現在主流となっているクラブの振り方の大まかな像が見えてきました。
この考察では、使う道具、プレーする場所、身に着けるものなどをの要因でゴルフスイングが変化してきたことが分かると同時に、学習者や指導者には、これか習得する学習対象の大まかな目標像が見えてくるので、とても有意義な考察と言えます。
ただし、この考察を短い期間で見ていってしまうと、その時期に強い選手の個性やたまたま上手く打てたという振り方をも含めた打ち方も学習指導対象にしてしまうので注意が必要です。ある程度長い期間で見ていけは、多くの優秀なプレーヤーの動きの共通点という観点から大枠の学習対象を抽出することができます。
このようにスポーツ運動の学習指導では、歴史的・社会的考察が重要ということがわかりますが、この考察は他の運動に対しても非常に有意義です。そこで、ここからは他のスポーツ運動の歴史的考察を紹介いたします。細かいところは専門家に任すとしておおまかに見てみましょう。
最初は、野球のピッチングです。下の写真を見てください。この3枚の写真は投手が足を上げた時のフォームですが左の2枚は100年ほど前の写真です。右側の近年のフォームとだいぶ違いますよね。なぜこのような変化がおこったのかというと投球を行う場所、つまりピッチャーズマウンドの違うという話らしいです。この投球フォームを現代に継承していた代表的な投手というと東京オリオンズ及びロッテオリオンズで活躍した大投手村田兆治さんでしょう。
次回は、このような変化の例をさらに2つほど紹介させていただきます。