異なる感じ方の謎
こんにちは! コンバインドプレーンゴルフスクール世田谷用賀本校 火、金、土、日曜日担当の安藤秀です
運動の心理学的考察法では、運動中に発生する力の大きさや方向を考えたり運動中の体の中に起こる変化を調べる方法とは異なり、運動中の運動主の心の中に発生する内容を分析する考察法です。
この考察法で重要になるのが、人によって感じ方が違うということです。解剖学・生理学的考察法やバイオメカニックス的考察法による体の内部の変化や力の大きさや方向の違いには多少の差はあるにせよ真逆というほどの違いはないのでしょうが、この心理学的考察では同じような動きをしている2人が心の中では全く逆のことを感じているということが発生します。しかし、その一方で上級者共通の感覚というもの存在します。
この理由は、各自が心の中で感じている内容が各自の前運動との対比ということにあります。例えばゴルフで説明すると、同じような位置にトップオブスイングの手が振り上げてられている2人が、1人は手の位置は低いのが正解と感じ、もう一人は手の位置は高くすべきと感じているというようなことが起こるということです。もちろんこのような違いはそれまで行っていたスイングフォームの違いからくるのですが、上級者になるにしたがってこの手の位置に対して新たな感覚が発生しそれが上級者の共通感覚となるということです。
今回のテーマである「のびのび振る」ということも、ボールを凝視してクラブヘッドをボールにあてにいくようにスイングする人には当てはまる情報となりますがフィニッシュでバランスを崩すような人を好結果に導くには難しいものがあります。また、コースに出た時に委縮してしまう自分にいつものスイングを行わせるために使われることもありますが、力んで振りすぎてしまう人には適切とは言えません。ただし、最終的には「フィニッシュまでバランスよく振り抜く」というような上級者の共通感覚に落ち着きます。
このようなことから、この考察法は初心者に対しては信憑性が薄いととらえられがちですが、ポイントを押さえればかなり有効です。なぜなら他の考察法から得た情報を運動主が知ることができるのは自分の運動が終わってからであったり、情報によっては運動主には感じられないこともあります。また、上級者は他の考察法から得られたデータから自分の動きをどうすればそれが改善させるかを瞬時に察知することができますが、初心者には難しい場合が多々あります。
これに対して心理学的考察から得られた情報は、運動主は運動中に感じる内容なので、ある程度適切なら一気にパフォーマンスを改善することができます。ただし、上の説明のように前の運動との対比になりやすいのでかなり奥の深い考察が必要になります。
つづく
最後まで読んでいただきありがとうござます! コンバインドプレーンゴルフスクール世田谷用賀本校 火、金、土、日曜日担当の安藤秀でした。
ゴルフスイングという運動の学習と指導38