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安藤秀インストラクター投稿記事 [用賀]

運動の局面構造を見る:野球の守備編

こんにちは! コンバインドプレーン理論開発者の安藤秀です。

 

前回は準備、主要、終末という局面構造がしっかりしている運動は質が高いということを説明しました。ゴルフスイングの準備局面であるバックスイングを例にとると、その目的が「左腕と左脚でダウンスイング動作を行いやすいトップオブスイングを作ること」にあります。この目的が達成されるバックスイング動作が行われるゴルフスイングは質が高いと言えるのです。一方、トップオブスイングが完成する前にダウンスイングに入ってしまったり、トップオブスイングが必要以上に大きいというようなバックスイング動作が行われるゴルフスイングは準備局面と主要局面の構造がしっかりとしていない質の高くないゴルフスイングということになるのです。

 

このような局面構造の観点からゴルフスイングを見ていくと、何が問題でそれをどう矯正すればいいのかまで見えてくるのでゴルフスイングの学習や指導にはとても役に立ちます。

 

運動の局面構造を見ていく分析は非常に面白いので、今回から別の運動を見て参考にしてみようと思います。まずは野球の守動作を取り上げてみましょう。野球の守備動作における準備局面とは「打球に追いつくこと」です、そして主要局面は「補球動作」です。そして、送球を行う場合は補球動作の終末局面と送球動作の準備局面が融合してくるということになります。

 

この考えに基づくと、守備動作の準備局面で一番重要なのは「打球に向かって体を運ぶ」ということになります。しかし、質の高くない守備動作の一つには、少年野球ではよく見られますが、「グローブを差し出しながら打球を追いかける」というのがあります。これは、しっかりした準備局面ができているとは言えません。補球動作が始まるのは準備局面が終わるころからです。この補球動作に入る前にグローブを差し出してボールを追うという動きは体の移動を妨げてしまうので守備範を狭めてしまいます。

守備範囲の広い野手は腕を捕球動作に入る直前まで走動作を速めるための動きに使うため絶対に捕れないだろうと思える打球に追いつけてしまうのです。

このように野球の守備動作を見てみると動作改善ポイントの割り出しに役立ちます。次回はここから考える守備動作の改善策を紹介しますね。

 

つづく

最後まで読んでいただきありがとうござます! コンバインドプレーン理論開発者の安藤秀でした。

 

 

ゴルフスイングという運動の学習と指導46

 

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