運動の調和を見る 　運動共感能力２

こんにちは！　コンバインドプレーン理論開発者の安藤秀です

 

運動者は精一杯頑張っているのに見ている人に「力感のない運動」という印象を与えてしまう運動の原因が「運動調和が上手くできていないこと」にある、ということをお話ししています。

 

そして「上手く行われた運動調和によって現れる運動の特徴」というものは力学的や解剖学的な分析では説明がつかないうえに指導法もなかなか見いだせないものです。しかし、運動経験豊かな運動観察訓練した研究者の中には潜勢運動能力を駆使して素晴らしい指導を行うコーチもいます。潜勢運動能力とは聞きなれない言葉ですがスポーツ運動学の世界では指導者全体に必要とされている能力です。簡単に説明すると他人が行っている運動に感覚的に潜入し、その運動者の運動感覚に共感を得ることができる能力です。

 

前回は、「写真や動画に線を引き、そこから得られた情報で自分の運動を矯正する」という方法で運動の修正を行うのは難しいという話をしました。ただこの矯正方法は多くのプロゴルファーも使っています。彼らは実際にこの方法で運動矯正しているのでがなぜできるのか？

 

その理由は、彼らは映像や鏡に写る自分の手の位置という情報を運動感覚情報に変換して自分の中に取り込んでいるからなのです。つまり、理想の位置に手を振り上げる時の感覚を探して実際のスイングに取り込み、見えない位置にある手の位置を矯正する、これによってトップオブスイングの位置が矯正できるということになるのです。

 

なんか難しいことのようですが要するにプロゴルファーはトップオブスイングの手をいろいろな位置に振り上げられるということなのです。だから映像や鏡でチェックして自分の手の位置が正しい位置でなかったり修正目標と違った位置だった場合、「より上か」とか「より後ろか」といった具合に振り上げ位置が自由に変えられるということです。

 

これは、その位置から正確なボールヒットを行わなくてもよいというのなら絶対不可能というほど難しいことではないですよね。頭の上の親指が右を指しているのを左を指すように矯正するのと同じようなことになります。

 

そして、いま目の前に自分と同じように親指を左右に動かす感覚を持っている他人がいたとしたら、自分の肘や手首の感覚を運動者に伝えることで他人の頭の上の親指の向きを自由に変えることができるのです。これが運動共感力を使った運動矯正ですね。

 

つづく

最後まで読んでいただきありがとうござます！　コンバインドプレーンゴルフスクール・コンバインドプレーン理論インターネットゴルフスクール・コンバインドプレーン理論インストラクター養成スクールを主宰する安藤秀でした。

 

ゴルフスイングという運動の学習と指導95