バックスイングの腰の回転位置
ゴルフスイングの解剖学・生理学的考察の第2段ではスイング中の関節の角度変化を調べたデータを見てみます。
下のデータはスイング中の左右の膝関節の角度変化が調べられたもので、上が右膝で下が左膝です。そして、1がアドレス、2がバックスイングの中間点、3がトップオブスイングで、4がインパクト、5はフォロースルーです。このデータは初心者と熟練者を3人ずつ計測したようですがデータの幅は個人差ということです。このデータで特筆すべきは、個人的な差は多少あるものの熟練者は「右膝がアドレスからトップオブスイングまでに若干伸びている」ということす。
一方、バックスイングの左膝の角度がアドレスより深くなっていることを考えると腰ははほとんどその場で回転していることが分かります。つまり、腰はバックスイング回転中に右重心を作るような移動はしていないと考えられます。腰はバックスイングで右脚の付け根の上に乗るように動くと考えているゴルファーは多いようですが実は違うのです。腰は右脚の上どころか、バックスイングで左脚の上に向かって回転していてその回転を右脚の内側の筋肉が止めているために右の太腿にはねじれが発生するのです。
では、重心の移動はというと、実際トップオブスイングの重心配分はいいところ左6で右が4という感じですが、この重心移動は上半身が行うのです。次回はこの腰の回転と上半身の位置の関係を説明します。
つづく
ゴルフスイングという運動の学習と指導17