運動の局面構造を見る:野球のバッティング編3
こんにちは! コンバインドプレーン理論開発者の安藤秀です。
前回は野球のバッティングの場合、トップオブスイングとダウンスイングの間に「スイングスタートポジション」という局面を入れる必要ある。理由はゴルフの場合と違って、バッティングの場合はトップオブスイングの時点ではバッターまだどのコースのどの高さに向けてスイングするかを決めていないから、ということでした。
トップオブスイング状態のままボールが投手の手から離れるのを待って、コースと高さを見極めてからスイングしようとするとボールがホームベース上を通過するまでにバットを出せない、つまり振り遅れてしまうということなんですね。そこで、バッティングの局面構造は、構え➡トップオブスイング➡スイングスタートポジション➡ダウンスイングからフォロースルー➡ランニングスタートとなります。
このように運動の局面構造を考える場合、局面を見極めるだけ終わってしまうとただの分析や評論で終わってしまいます。局面構造を考える場合に本当に重要なのは、それをもとにどのようにパフォーマンス向上のための方法を考えるかにあります。
今回の野球のバッティングでは、局面構造を考えることでいつくかの練習課題を明確にすることができます。まずは、タイミングです。ゴルフのショットに比べで野球のバッティングは飛ばす方向の許容範囲が広いといえます。フェアグランドに飛べばいいわけですからね。で、これが何を意味するかというと、スイングの仕方の許容範囲も広いということです。つまり、様々な振り方が許されるということです。高めや低め、アウトコースやインコース、これを同じ打ち方で処理するのは難しいですものね。しかし、一方では「ボールが飛んで来る」という難しさがあります。
ここからわかるように、ゴルフスイングの場合は目標に対する許容範囲は左右前後にものすごく狭い故、スイングに対する教養範囲の少ない。一方、野球のバッティングの場合は飛ばす方向や振り方の許容範囲が広いかわりに飛んでくるボールを打たなければならない。つまり野球のバッティングで最も大切なのは「飛んでくるボールにタイミングを合わせること」なんですね。
確かにタイミングということはよく耳にしますが、具体的に「何にどうタイミングを合わせるのか?」ということになると、野球通の方でもいまいち答えに詰まるのではないでしょうか?
局面構造を考えてみると、このタイミングの謎が解けてくるのです。
つづく
最後まで読んでいただきありがとうござます! コンバインドプレーンゴルフスクール世田谷用賀本校 火、金、土、日曜日担当の安藤秀でした。
ゴルフスイングという運動の学習と指導50