飛んで曲がらないゴルフスイングの原型とは?
今回は、マイネル教授の著書「スポーツ運動学」のなかで説明されている社会的・歴史的考察法で浮き彫りにできるスポーツ運動の目標像に関する例を2つほどご紹介させていただきます。
まずはハイシャンプ、走り高跳びの例からです。下の3枚の写真は走り高跳びの空中局面での姿勢です。左側の姿勢では胸が横を向いているのに対して真ん中は胸が下、右は胸が上を向いているのがわかります。詳しいことは専門家に譲りますが、この飛び方の変化は着地する場所の状態が変わったことによって発生したようです。
つづいて、下の写真はスキーのジャンプ競技での空中局面の写真です。このパフォーマンスの変化はスキーの板とウェアの変化によるもののようです。
この2つの例をとっても、これからそれぞれの競技を学ぼうとするなら一番右のパフォーマンスを目標にして練習するほうが効率的がいいということがわかります。このようにスポーツ運動についての社会的・歴史的考察法では、これから学習すべき運動形態の大枠がつかめるのです。
ゴルフスイングの学習指導では、ここに挙げた2つの例ほど見た目でわかる大きな変化は起こっていないように思えますが、やはりこれから学習する人は、「アップライトなクラブの振り上げ」と「I型フィニッシュを作るターン動作」の習得を目指すべきということがわかります。
そして、この動きが現在主流となってる道具を使った「飛んで曲がらないボールが打てるスイング」の大枠であり、このスイングの中に個性が生まれ自分自身のスイングになっていくということなのです。
つづく
ゴルフスイングという運動の学習と指導10